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水草力

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画像は、7月、滋賀の休耕田で撮ったヤナギタデ。このヤナギタデが生えていた場所はなかなかいい感じの休耕田で、コケオトギリやフタバムグラなども生えていました。コケオトギリは自然度の高い湿地や湿原にしかないと思っていたのですが、水田にも発生するのですね。
ヤナギタデは水槽では絶対に育たないと思っていたのであまり興味はなかったのですが、ダメもとで何本か持ち帰ってみて水槽に植えてみたら、意外にも綺麗な水中葉を展開してきています。
ヤナギタデは以前にも採取して水槽で育ててみたことがあるのですが、その時は瞬殺してしまったので、少しでも水中葉として育てられたのはちょっとうれしい。
ちなみに同じ時期に頂いたヤノネグサもわりといい感じに育っています。やはり導入する時期によって生長度合いが変わってくるのでしょうか。
しかし自分の予想としては、秋口になれば他のタデと同じように花芽を出してきて生長しなくなるものと思います。こういう湿地植物は結構多くて、幼株を導入した直後は生長が早くて水面を目指してどんどん生長するのですが、水温が下がり花芽ができるととたんに生長しなくなってしまうものが多いです。あと花芽には関係なく、何度も繰り返し摘み下ろしをしていると、やはり生長が止まってしまうこともあるように思います。このような、育成条件が外れていないのに、もうそれ以上生長しなくなってしまう現象は、植物自体が持っていた水草力(水中で生長しようとする力)が失われてしまったために起こるのではないかと思ったりします。


ところで今日は一人で水草探索に行ってきました。しかしやはり一人だとモチベーションが下がりますねぇ…。行く直前まで迷ってたりして。まあ水草が生えている場所まで着いてしまえばそれなりに癒されるんですけど。

ミドボン

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自宅の水槽ですが、設置した初期に出ていた藍藻も、オキシドール攻撃で撲滅できまして状態も大分落ち着いた感じになってきております。しかし先週導入したミナミヌマエビは半分以上が死んでしまいました…。PHも6.5で微生物も湧いてきているし、特に問題ないはずなんですが。もちろん水合わせも入念にやりましたし…。消去法でいくとやっぱり水温…?そして、CO2を添加していないことによって水草の生長が悪くなってきていたので、ミドボンを探す旅に行ってきました。

駅前にある商店街の中の酒屋さんにミドボンを取り扱っていないかを聞いて回りまして。酒屋さんには「ビールサーバー用の炭酸ガスは取り扱いしておられますか?」というふうに、さも自宅にはビールサーバーがあるんだよ、という顔をして聞きましょう。間違っても水草が…とか、二酸化炭素が…とか言い出してはいけません。
そして、無事3軒目でゲット!できました。よく居酒屋さんなどで見かける5キロタイプのやつです。保証金の5千円はかかりましたが、使いさしでガスの容量が満タンではないということでガス自体の値段をだいぶ安くしてもらえました。
で、この時点で水槽に使うことなどを説明しまして。
1年後ぐらいにまた再充填にお願いに来ると思うんですけど、と言ったら、店のオヤジさんが
「まあ1年後、この店があるかどうか分からんけどな、ハハハ」
…っていやいや、ハハハじゃないですよ…(^^;) 最近は大手酒屋チェーンもよく見ますし個人のお店は大変なんでしょうかねぇ。

ということで無事入手できましたので、さっそくレギュレーターやパレングラスなどを繋ぎ水槽に添加してみました。はらはらと立ち上るCO2の気泡に心が癒されます。

画像はエムエムさんに頂いた謎ヌカボ。もともとは私が採集したものなのですが、エムエムさん宅でこのような水草然とした姿になって帰ってまいりました。掲示板のほうに載っているエムエムさんが撮られたタデの画像と同じものです。草体がとても柔らかくてまるでミゾハコベの水中葉のような感じです。水上葉からはこんな姿になるなんてまったく想像できませんでした。このままの姿でずっと育成できるといいですね。

ヒメシダ

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悪夢の湿原探索から一週間…。毎回フィールドに出ると体力のなさを痛感します。運動したいなあと思いますが、結局、時間がなくてねぇというお決まりの言葉しか出てこないわけです。ああ貧弱。

ところでここのブログで何度も登場していた謎シダですが、今回の湿原探索でヒメシダだということが判明いたしました!…いや~外国産かも?とか言っていた自分をけなしてあげたいです。図鑑を見るよりWebで調べるより、フィールド観察に勝るものはない、ということでしょうね。このヒメシダ、湿原以外でも水田の畦や用水路などにも発生します。水辺に生えているライトグリーンのいい感じのシダがあったらヒメシダの可能性を疑うといいかもです。

それと実家の睡蓮鉢でカンガレイを育てているのですが、睡蓮鉢から、カンガレイの種子から発芽したと思われる線形葉の幼株がたくさん芽生えてました。カンガレイはハタベカンガレイとは違い線形葉は持たないと思っていたのですが、発芽の時期は線形葉なのかもしれないですし、それをそのまま水中で育てれば線形葉のまま育つのでしょうか・・?

自宅の水槽ですが、コケ対策として熱帯魚屋さんでミナミヌマエビを買ってきました。水槽内で殖えないヤマトヌマエビよりもいいだろうと思いまして。買った袋をみたら稚エビがたくさん入ってました。でもミナミヌマエビを殖やそうと思うと魚を入れられないというのがあって…。やはり魚も入れたくなるんですよね。

それはそうと隊長さんの体調が心配です。入院ではないことを祈りつつ。

オキナクサハツ

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最近急激に蒸し暑い日が多くなってきてますね。特に都心部に出ると暑くて死にそうになります。
今日は千葉県立中央博物館に行ってきました。企画展で深海魚展というのをやっていたのでそれを見に行ってきたのです。予想としてはもっと水槽などがあるのかと思っていたのですが、そういうものはほとんどなく普通の博物館的な展示でした。琵琶湖博物館と同じノリで考えていたのが間違いだったようです。(琵琶湖博物館は博物館という名前なのに淡水水槽の展示が山盛りなのです)
でもどうせなら、さかなくんのトークショーがやっている日に行けばよかったかな。
画像は博物館内の公園にぼこぼこ生えていたオキナクサハツ。

前回の日記に書いた謎シダですが、株分けをしたらさらに大きく生長しまして、もう一度株分けできそうな感じにまでなってきました。このシダの名前をその後もいろいろと調べていたのですが、もしかしたらこれかも。
オオホソバシケシダ
http://www.ne.jp/asahi/sunsun/tanpopo/thumb_nails/thumb9.htm

でもこれもすごく似てはいるのですが、どうも葉の形が微妙に違うような気がするんですね。ひょっとしてヒメシダの幼株の可能性も捨てきれなくなってきて…にんともかんとも。シダの同定がこれほど難しいとは想定の範囲外でございました。


進化の方向性に関する話なのですが、完全な水草であるマツモなどは今後どう環境が変化したとしても、多肉植物にまで進化することはほぼありえないわけじゃないですか。それはある意味では方向性があると言えるのかも。でもそれは方向性を持っているというよりも、その方向にしか行けなくなってしまったというほうがより実情に近いのかな、などといたちむしさんの書き込みを見て思ったり。
進化の袋小路に入ってしまった、ということもよく言われますよね。ある環境に適応しすぎてしまうと、その環境以外では生きていけなくなるというやつですね。

羊歯の季節

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今年もシダが美しい季節がやってきましたね。涼しげなシダの姿は蒸し暑い夏に涼を感じさせてくれる存在なわけでございますが。画像は去年の日記にも書いた謎シダです。今年も順調に芽が出てきまして、去年よりも少し大きくなったようだったので株分けしてみました。このシダですが、未だに名前がわかりません。日本産で該当するものがないのでやはり外国産なんでしょうか?

水辺伝言版から
ヤナギタデは確かに、湧水河川に生えているものと陸地に生えているものではまったく別の植物のように見えて面白いですね。しかしヤナギタデは水中では開花、結実できないと思うので水中に生えているものも、どこかの陸地で結実した種子が川に流れ込んで発芽したものだと思います。ヤナギタデの水中葉が湧水にしかないのは単純に高水温に弱いからなんではないですかねぇ。自分的な予想ですが。でもイヌタデ属で完全な水中葉が野外で茂っているのはヤナギタデとホソバノウナギツカミしか見たことないですね。

利助さんのブログではたびたび進化の方向性という話題が出てきますが、生物の進化に方向性ってあるものなのかな、と思ったりします。ある植物が何万年か後に完全な沈水植物に適応できたとして、その時になれば、その植物は水生への方向へ進化した、と言えるかもしれませんが、今の時点である植物に方向性を見出すことができるのかな、と。生物の進化は環境への適応の結果だと思うので(偶然に左右される要素が大きい?)水生、または陸生へと、ある一つの方向性を持つことはないような気がするのですが。

また仮に方向性があったとしても水辺の植物だからといって、必ずしも水生への方向(または陸生への方向)に向かっていかなければいけないというわけでもないのでは。水陸両用に特化することだって立派な方向性と言えるのではないでしょうか?水陸両用になることによるメリットもあると思いますし、地球上には陸と水中の境界があいまいな土地がたくさんあります。そこへ向かっていく植物があってもおかしくないですよね。キクモなどはまさに水陸両用にうまく適応できた植物なのではないでしょうか。常に水位の増減があるような環境だとキクモのような生態のほうが有利かと。

…と、適当なことを書いてきましたが、進化論に関してはあまりよく知らないので、何かおすすめのHPや書籍がありましたら教えてください。
とりあえず自分が知っているところをリンクしておきます。進化論以外の話題もなかなか面白そうです。

生命はいかにして進化するのか
http://www.nagaitosiya.com/a/evolution.html