記事一覧

羊歯の季節

ファイル 11-1.jpg

今年もシダが美しい季節がやってきましたね。涼しげなシダの姿は蒸し暑い夏に涼を感じさせてくれる存在なわけでございますが。画像は去年の日記にも書いた謎シダです。今年も順調に芽が出てきまして、去年よりも少し大きくなったようだったので株分けしてみました。このシダですが、未だに名前がわかりません。日本産で該当するものがないのでやはり外国産なんでしょうか?

水辺伝言版から
ヤナギタデは確かに、湧水河川に生えているものと陸地に生えているものではまったく別の植物のように見えて面白いですね。しかしヤナギタデは水中では開花、結実できないと思うので水中に生えているものも、どこかの陸地で結実した種子が川に流れ込んで発芽したものだと思います。ヤナギタデの水中葉が湧水にしかないのは単純に高水温に弱いからなんではないですかねぇ。自分的な予想ですが。でもイヌタデ属で完全な水中葉が野外で茂っているのはヤナギタデとホソバノウナギツカミしか見たことないですね。

利助さんのブログではたびたび進化の方向性という話題が出てきますが、生物の進化に方向性ってあるものなのかな、と思ったりします。ある植物が何万年か後に完全な沈水植物に適応できたとして、その時になれば、その植物は水生への方向へ進化した、と言えるかもしれませんが、今の時点である植物に方向性を見出すことができるのかな、と。生物の進化は環境への適応の結果だと思うので(偶然に左右される要素が大きい?)水生、または陸生へと、ある一つの方向性を持つことはないような気がするのですが。

また仮に方向性があったとしても水辺の植物だからといって、必ずしも水生への方向(または陸生への方向)に向かっていかなければいけないというわけでもないのでは。水陸両用に特化することだって立派な方向性と言えるのではないでしょうか?水陸両用になることによるメリットもあると思いますし、地球上には陸と水中の境界があいまいな土地がたくさんあります。そこへ向かっていく植物があってもおかしくないですよね。キクモなどはまさに水陸両用にうまく適応できた植物なのではないでしょうか。常に水位の増減があるような環境だとキクモのような生態のほうが有利かと。

…と、適当なことを書いてきましたが、進化論に関してはあまりよく知らないので、何かおすすめのHPや書籍がありましたら教えてください。
とりあえず自分が知っているところをリンクしておきます。進化論以外の話題もなかなか面白そうです。

生命はいかにして進化するのか
http://www.nagaitosiya.com/a/evolution.html

トラックバック一覧

未承認 from 未承認
管理者に承認されるまで内容は表示されません。
2013年07月06日(土)20時52分 受信

コメント一覧

利助 2006年06月11日(日)22時41分 編集・削除

また余計な混乱をさせてしまったようで(汗)
進化の方向性はあります。無いとすべての進化論(中立説、断続平衡説など含めて)は成立しないんですね。

藻草さんの仰る内容は生態学の範疇のお話でして、まさに私がやろうとしているのが、スタティックな生態学にバーティカルな進化論を組み合わせる自然現象の理解、という学術的に異端なことなわけで(笑)

個体群生態学は最近脚光を浴びつつある研究なのですが、ここのヤナギタデは何月に発芽したのか分かりませんが、引き抜いてみるととても数ヶ月で張った根では無いような状態で、ホソバノウナギツカミが水槽で数年間生きるような状況が自然下(水温の安定した湧水)で起きているのかな?と思ったわけです。
・・・なんか余計混乱しそうですが(汗)

藻草 2006年06月16日(金)02時11分 編集・削除

ん~、別に混乱はしていませんが…。
生物に初めから進化の方向性が内包されているって、なかなかSF的でおもしろいですね。

進化の方向性がないと進化論が成立しないのはなぜですか?また利助さんはなぜ進化に方向性があるとお思いですか?できるだけ横文字なしの方向で解説していただけるとうれしいです。(^^;)

利助 2006年06月16日(金)23時03分 編集・削除

ではかいつまんで。

>生物に初めから進化の方向性が内包
これは違いますね。そんな画期的な?ことには言及していません(汗)

進化論本家はダーウィニズムですが、コアは自然選択説です。これは変異、選択、遺伝の三要素を持っています。遺伝子が環境に応じて変異し、最適なものが選択され遺伝される、遺伝子の方向性、つまり進化の方向性です。別に私個人の意見ではありません。
藻草さんの仰る
’環境への適応の結果だと思うので(偶然に左右される要素が大きい?)’
は適応進化という概念ですが、この概念の中心はやはり自然選択です。
適応進化のために必要なのは、その環境に適応するための形質形成と遺伝が必要であり、進化が方向性を持っていると考えて頂けませんか?
分かりやすくと言うと、水草は一部の例外は別として、水中に適応しようとする意思(方向性)がなければ水中生活に適応しない、間違ってもCAM植物にならない、ということで立派な方向性になっているということです。

ヤナギタデですが、海から上がって被子植物になって、何らかの理由で淡水中に入って・・・そんなことは分かっています。今現時点も進化が止まっているわけではなく、なんらかの方向性を持っているため水中生活が可能になっているのではないか、という見方なんです。1万年は関係ありません。
重要なのは「1万年後にどこに行く」ということではなくて「どこから来たか」ということ。ベクトルと言ってしまいますが、直線ではなく停滞も後退もあります。今時点どちらを向いているか、ということです。
進化は「種」に拠らないという考え方もありますが、イヌタデやミゾソバが水中生活できない理由も「なんらかの方向性」に拠るものではないかと考えている、という話です。

ダーウィンの進化論はもちろん古く、理論的瑕疵も多々ありますが、その後のメンデルの遺伝の法則、突然変異、自然選択などは集団遺伝学という学問に内包されてそれぞれ対立する概念ではない、という見方がされています。
分子生物学というかDNAの話で「機能してないがらくた配列」とか「無駄にしか思えない繰り返し配列」などはどんな方向性にも行けるようにリザーブされているDNAだと思うのですが。
というか、私の記事の主題は「個体群生態学」ですので、進化論だけ話が広がっても困ってしまいます(^^;
とりあえずお奨めの文献のみあげさせて頂きます。
・盲目の時計職人 リチャード・ドーキンス
・生物進化を考える 木村 資生
・進化論が変わる~ダーウィンをゆるがす分子生物学 中原英臣・佐川峻

集約したつもりが長くなりましたm(__)m

藻草 2006年06月20日(火)03時15分 編集・削除

長文カキコ、ありがとうございます。
先週レスを書いたのですが、論点がズレてるような気がしたので一旦削除しました。しかし私が書きたかったことの大筋は利助さん自身がすでにブログのほうで書いておられますね。(^^;)

私が書きたかったこととしては
「遺伝子が環境に応じて変異し、最適なものが選択され遺伝される」ということを、利助さんは生物の進化が方向性を持っていると解釈している、ということですね。しかし全ての研究者がそういう解釈をしているのか、すべての進化論が方向性説を支持しているのか、ということです。利助さんのレスを読んでも、進化の方向性がないとなぜ進化論が成立しないのか、がよく分からなかったので。

過去から現在までの生物の進化の方向性はその生物の来歴を調べれば、ある程度は分かる(予想できる)のではないでしょうか?しかし今までの方向性が分かったからといってこれからの方向性が分かるとは限りませんよね。生物の進化は、たまたまその環境に適応できる遺伝子を持っていた(素質があった)生物が生き残り、たまたま安定した環境があったから繁栄できるのであって、そこに生物の意思(ある特定の方向性)があるとは私はあまり思えなかったりします。(もちろんそれを方向性、意思があると解釈するのもありだと思いますが)

利助さんのブログなどでの書き方から、生物の進化の方向性は一定であり、不変であり、予想できるもの(初めから内包しているもの)という印象を受けました。でもやはり利助さんも書いておられるように環境によって幾千もの進化の道筋があるのだと思います。

それから、先の「なぜ進化に方向性があるとお思いですか?」という質問は利助さん個人の意見をお聞きしました。フィールドでの観察などでそのことについて何か感じるものがあるのでは?と思ったので。でもこれもすでにブログのほうで回答しておられますね。

それから、書籍の紹介ありがとうございます。進化に関しては本なども読んだことがありませんし、本当にあまり知らないのです。でも分からないなりに疑問を書いてみました。これから、もう少し進化に関する本などを読んでみることにします。