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蓼調べる人も好き好き

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最近タデがよく集まってきているので、各タデの特徴を再確認というかもう一度詳しく調べています。タデ好きと言っておきながら、タデの詳しい同定法はいまいちよく分かっていないのですよ…。

前回の日記でエムヌカボはヤナギかサイコクでは?と書きましたが、ヌカボタデの存在を忘れていました。ヤナギかサイコクかを考える前に、ヌカボタデなのかヤナギヌカボなのかを調べなければいけません。
ヌカボタデとヤナギヌカボの同定ポイントですが、ヌカボタデの葉は乾燥させると緑色のままで、ヤナギヌカボは赤褐色になるとのこと。またヤナギヌカボの葉の裏面には腺点があるが、ヌカボタデにはない。(…腺点というのがいまいちよく分からないのですが)

画像は関西の溜池で採集したタデ。このタデを上記の同定ポイントで調べてみるとヌカボタデのような感じです。
※マツモムシさんのご指摘通り画像のタデはおそらくサイコクヌカボかヤナギヌカボではないかと思います。2011.1.19追記

イヌタデ属全般についての同定ですが、茎に下向きの刺があるかないかが、一番最初の同定ポイントになります。そして花の形状も重要で、花が咲いていないと正確な同定はできません。

湿地に出現するタデの中で茎に刺がなく、上の画像のような花穂を付けるものはヤナギタデ、ボントクタデ、ヌカボタデ、ヤナギヌカボなどです。ヤナギタデやボントクタデは特徴が分かりやすいので除外できます。

湿地に出現するタデの中で茎に刺がなく、花穂がイヌタデのような形状だと、イヌタデ、オオイヌタデ、ホソバイヌタデ、ヒメタデなどが当てはまります。旧掲示板に載っている利助さんやs.a.mさんが投稿されたタデの画像を見てください。オオイヌタデはもっと花穂が垂れ下がりますし、茎の節が太くなるので違います。イヌタデももっと葉の幅が広くなるので違うでしょう。ということで画像からはホソバイヌタデかヒメタデかと思われます。(しかしヒメタデの仲間の情報が少なすぎてよくは分かりません…フトボノヌカボタデでは?という話もありましたが、その後確定したのでしょうか?)

タデ近況 10月21日

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水槽で育てているタデの近況です。
ヤナギタデは順調に育っていまして、何度か摘み下ろしをしています。トリミングをした元株からも脇芽が伸びてきていていい感じです。
7月29日の日記で紹介した謎ヌカボも順調です。ただしこちらはヤナギタデに比べると生長が遅く、若干気難しさがある様子。新芽は赤味がかりますが、べったり赤が乗るのではなくほんのり色付く程度。そして生長に伴い葉のエッジに微かに赤が残ります。このタデの名前ですがいつまでも謎ヌカボではなんなのでエムヌカボと勝手に命名しちゃいます。(おそらくサイコクかヤナギだとは思うのですが、自分の知識では確定できないので…)
エムヌカボと同時期に導入したヤノネグサですが、こちらは水槽化できるかと思いきや、二ヶ月ほど前に枯れてしまいました。原因は花芽形成ではなく他の水草の陰になり光量不足になったためと思われます。
また9月に関西で採集してきたタデですが(これもおそらくサイコクかヤナギかと思われるタデ)採集した時点ですでに花芽を形成していたので、水槽内でも花芽ばかり上げてしまっています。
このタデは屋外にも植えてあるので今年種子を付けてもらい、また来年の春の発芽を期待したほうがよさそうです。やはり花芽を形成する前に水槽に導入すれば、水中化の確率が上がりそうです。(エムヌカボはエムエム氏がそうやって水中化されたものです)
それからエムヌカボと同時期導入のシロバナサクラタデも水中化できずに枯れてしまいました。これは水槽の端に植えていたので光量不足だったのかもしれません。

画像は左がヤナギタデで右がエムヌカボ。

フサモ属

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ここで何度か紹介している東京産のフサモですが、あそこに自生しているのはホザキノフサモでは?という指摘を受けまして。確かに色味や形態からホザキノフサモでもおかしくないわけで、さらに混乱してきてます。また、以前市ヶ谷さんでフサモとオグラノフサモの水中葉を見せてもらったのですが、色味は両種ともほぼ同じ黄緑色でホザキノフサモのような色味ではなかったような気が。

ホザキノフサモとフサモ、オグラノフサモの見分け方は花穂の形状の他に、ホザキノフサモは常緑で殖芽を作らないというのがあるので、今度機会があれば冬に自生地を見に行ってみます。

掲示板で教えて頂きました、里湖モク採り物語読了。
これほどモク採りについて詳細に書かれた本はないと思われます。いわゆる里山が付近にない地域は湖沼の水草を堆肥として利用していたのですね。
これらの水草がカリ肥料として使われていたということは、相当量のカリウムを吸収していたということでしょうか。
今年行ったフィールドでも何度か車軸藻類を見ることができましたので日本の湿生植物に画像をアップいたしました。画像は関西の水田やその付近です。

それと、本体サイトのほうはしばらく更新を休止することにしました。コンテンツに協力して頂いた方、ありがとうございました。また気が向いた時に再開するかもしれませんが、今はブログだけで充分なので。

画像は滋賀で見せて頂いたフサモ属。滋賀のような湿地が豊富な場所でもフサモやオグラノフサモはあまりないらしく、ここの溜池でも所々にぽつぽつと生えているだけでした。

悲惨なコラボ

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フィールドは9月が最後だと思っていたのですが、思いがけずご一緒させて頂きまして、眼福でございました。後ほどメールさせて頂きます。しかし一方で悲惨なコラボも目にいたしまして、ションボリです。
画像はオオフサモとミズヒマワリ。この場所は湧水起源の池のようで透明度が高く水質が非常に綺麗なのですが、このオオフサモとミズヒマワリの他にもルドの仲間(もちろん外国産)ホテイアオイ、リシア(アクアリウム由来っぽい)などがありまして、暗澹たる気持ちになりました。また周辺の河川にはジャイアントバリスの大群生もありました。う~ん、これは間違いなくアクアリストの仕業でございましょうなあ…。

私信
滋賀の水田で発見しましたヒユ科の植物ですが、あの時は私、ナガエツルノゲイトウと言いましたが、後日撮った画像を良く見てみると花柄がまったく見えないのでツルノゲイトウと思われます。あまりのショックで花の形状をきちんと確認してませんでした。(^^;) 日本の湿生植物に画像を上げましたのでよろしかったらご覧ください。

フサモとオグラノフサモ

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今までフサモもオグラノフサモもあまり見たことがなかったので、最近自分で自生地を見に行ったり、案内してくれる方にリクエストしたりしていたのですが、この二種の見分けは、何か見れば見るほどよく分からなくなってきてます。
見分け方はもっと容易だと思っていたのですが、やはり殖芽を確認しなければならないようです。日本水草図鑑によるとフサモの殖芽は長さが1.5cm~3cmで殖芽葉は水中葉と同じ形。一方、オグラノフサモの殖芽は長さが2.5cm~8cmで殖芽葉は水中葉よりも幅広で短いものになる、とのこと。
関西でフサモの自生地を案内して頂きまして、その時に見た水上葉はなんとなくオグラノフサモっぽいかな?と思ったのですが、自宅に帰って日本水草図鑑を見てみるとやっぱりフサモかな?と思いました。(水上葉が図鑑に載っているような緑白色ではなかったので) しかしそれを水槽に植えて水中葉が展開してくるとキクモのような明るい緑色で水中葉の色はオグラノフサモっぽいなあ、と思ったわけです。
う~ん、やはり水上葉や水中葉の色味の違いなどでは確実な見分けはできないっぽいのですが、殖芽を確認するまでどちらか分からないというのも気が短い人には酷な話ですね。もっと簡単に見分ける方法はないものでしょうか?

画像は東京産のフサモと思われる個体。(殖芽を確認したわけではないのでこれも確実ではないのですが)水中葉の色味はホザキノフサモと同じような少し濃いめの緑です。フサモだったらもうそろそろ生長が止まり育たなくなるはずですが、さてどうなるでしょう。

そうそう、最近久しぶりに創刊された熱帯魚の雑誌アクアナビですが、チェックされましたでしょうか?この雑誌を出しているのが日本水草図鑑を出している文一総合出版なんですよね。そう聞くとなぜかありがたみが出てくるのが不思議です。