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引用に関するエトセトラ

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今回は引用にまつわる話。
コラムや自説を書くときに論文や書籍などから引用したり、参考文献としてあげて自分のテキストの補強にするということは、とてもよくあることだと思うのですが、でもちょっと待ってください。その引用されたものの内容は本当に正しいのでしょうか?引用した人はその内容が本当に正しいのか、自分で調べてみたのでしょうか?データが間違っていないか確かめてみたのでしょうか?

なぜこんなことを言い出だしているのかというと
米国の学者が医療の分野である説を発表していて、その説を日本のある学者が引用して自説の論理の補強としていたのですが、最近(ここ20年ぐらい?)になってその説は明らかに間違っているだろうということが分かってきたのです。しかしその日本の学者は最近の著書でもその説を引用して自説を展開しているのです。つまり日本の学者は引用した学説が正しいか、そうでないかなどどうでもよく、自分の説に都合のいい学説を利用したかっただけなんですね。ちなみに米国の学者も日本の学者もどちらも大学教授だったはず。
こういうのを見てしまうと安易に引用するのもどうなのかなと考えてしまいます。

またお隣の国にES細胞を作ったと言っていた教授もいますよね。この話は最近NHKスペシャルでやっていたので見られた方も多いと思うのですが…。
このES細胞に関する論文は米国の医学者の口添えもあって、米国の科学雑誌サイエンスに載ったわけですが、サイエンス誌の編集者も掲載されるすべての論文のデータが間違っていないかをいちいち確認することはできないと番組の中で言っていましたね。
この例は極端かもしれませんが、データを故意に捏造していなくてもミスでデータの取り方を間違えてしまう可能性だってあるわけで。その他にもゲーム脳などというトンデモ本を出していた大学教授もいましたよね。

結論として何が言いたいのかというと、大学教授が書いているから、本に書いてあるから、論文に書いてあるから、権威のある科学雑誌に載っているからといって必ずしもそれが100%正しいわけではないということです。
ということで最近は、自分自身が100%信用できる情報というのは結局、自分自身で調べたり、見たりしたことしかないのかなと思ってます。


画像は某河川のエビモ。清流に揺られる水草はどうしてこう、心が洗われるのでしょうか?水槽で育たないと分かってはいてもつい採集してしまうのですね。それにしても同じ環境に自生するヤナギモは水槽育成が容易なのにエビモが育成難種なのが不思議です。

ヤナギタデ

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画像はヤナギタデの水中葉。頂芽から下へ3節目ぐらいまでが完全な水中葉です。
ところでホシクサの花芽を付けさせない栽培で有名(?)なエムエム氏の水槽の照明時間ですが、なんと5時間しか点けていないそうです。ここのHPでも花芽形成には日照の長日短日というのが関係しているという話が何度か出ていたと思うのですが、5時間は予想外でした。
ということで、自分の今までの水槽の照明時間はだいたい10時間ぐらいだったのですが、6時間に設定してみました。これでタデの花芽形成が止まるといいのですが。水草力がなくならないうちに何とかしたいです。


先日、進化論関係の本をジュンク堂で物色してみました。利助さんにお薦めして頂いた本ですが、ドーキンスの盲目の時計職人しか見つからなかったのでそれを開いてみたのですが、これはちょっと…読めません。外国の著書で日本語訳されたものってやたら読みにくいことがありますよね。そんな感じでして。それはそうとドーキンスは利己的遺伝子説の人なんですね。ちなみに自分は利己的遺伝子については寄生獣での知識しかありません。
で、かわりに、面白いほどよくわかる進化論の不思議と謎 という本を買ってきました。これはがっつり初心者向けっぽいので進化論って何?という方にはお薦めですね。それでも専門的な用語が出てくる箇所はけっこう難しいのですけど。

あと、ウィキペディアから関連用語を引っ張ってきました。
進化
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96
進化論
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AB%96
中立進化説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%AB%8B%E9%80%B2%E5%8C%96%E8%AA%AC
断続平衡説
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%AD%E7%B6%9A%E5%B9%B3%E8%A1%A1%E8%AA%AC
今西錦司
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%8A%E8%A5%BF%E9%8C%A6%E5%8F%B8
リチャード・ドーキンス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B9

進化の方向性ということに関連して上記の本やウィキペを読んだりしていたのですが、ダーウィンの進化論も木村資生の中立進化説も進化に方向性はないとする学説だと思うのですが…。

進化に方向性がある、ということを言っているのはラマルクの進化論やネオ・ラマルキズムといわれる学説ですね。しかし最近の総合説進化論の見地からは否定的なようです。

水草力

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画像は、7月、滋賀の休耕田で撮ったヤナギタデ。このヤナギタデが生えていた場所はなかなかいい感じの休耕田で、コケオトギリやフタバムグラなども生えていました。コケオトギリは自然度の高い湿地や湿原にしかないと思っていたのですが、水田にも発生するのですね。
ヤナギタデは水槽では絶対に育たないと思っていたのであまり興味はなかったのですが、ダメもとで何本か持ち帰ってみて水槽に植えてみたら、意外にも綺麗な水中葉を展開してきています。
ヤナギタデは以前にも採取して水槽で育ててみたことがあるのですが、その時は瞬殺してしまったので、少しでも水中葉として育てられたのはちょっとうれしい。
ちなみに同じ時期に頂いたヤノネグサもわりといい感じに育っています。やはり導入する時期によって生長度合いが変わってくるのでしょうか。
しかし自分の予想としては、秋口になれば他のタデと同じように花芽を出してきて生長しなくなるものと思います。こういう湿地植物は結構多くて、幼株を導入した直後は生長が早くて水面を目指してどんどん生長するのですが、水温が下がり花芽ができるととたんに生長しなくなってしまうものが多いです。あと花芽には関係なく、何度も繰り返し摘み下ろしをしていると、やはり生長が止まってしまうこともあるように思います。このような、育成条件が外れていないのに、もうそれ以上生長しなくなってしまう現象は、植物自体が持っていた水草力(水中で生長しようとする力)が失われてしまったために起こるのではないかと思ったりします。


ところで今日は一人で水草探索に行ってきました。しかしやはり一人だとモチベーションが下がりますねぇ…。行く直前まで迷ってたりして。まあ水草が生えている場所まで着いてしまえばそれなりに癒されるんですけど。

ヒメシダ

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悪夢の湿原探索から一週間…。毎回フィールドに出ると体力のなさを痛感します。運動したいなあと思いますが、結局、時間がなくてねぇというお決まりの言葉しか出てこないわけです。ああ貧弱。

ところでここのブログで何度も登場していた謎シダですが、今回の湿原探索でヒメシダだということが判明いたしました!…いや~外国産かも?とか言っていた自分をけなしてあげたいです。図鑑を見るよりWebで調べるより、フィールド観察に勝るものはない、ということでしょうね。このヒメシダ、湿原以外でも水田の畦や用水路などにも発生します。水辺に生えているライトグリーンのいい感じのシダがあったらヒメシダの可能性を疑うといいかもです。

それと実家の睡蓮鉢でカンガレイを育てているのですが、睡蓮鉢から、カンガレイの種子から発芽したと思われる線形葉の幼株がたくさん芽生えてました。カンガレイはハタベカンガレイとは違い線形葉は持たないと思っていたのですが、発芽の時期は線形葉なのかもしれないですし、それをそのまま水中で育てれば線形葉のまま育つのでしょうか・・?

自宅の水槽ですが、コケ対策として熱帯魚屋さんでミナミヌマエビを買ってきました。水槽内で殖えないヤマトヌマエビよりもいいだろうと思いまして。買った袋をみたら稚エビがたくさん入ってました。でもミナミヌマエビを殖やそうと思うと魚を入れられないというのがあって…。やはり魚も入れたくなるんですよね。

それはそうと隊長さんの体調が心配です。入院ではないことを祈りつつ。

羊歯の季節

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今年もシダが美しい季節がやってきましたね。涼しげなシダの姿は蒸し暑い夏に涼を感じさせてくれる存在なわけでございますが。画像は去年の日記にも書いた謎シダです。今年も順調に芽が出てきまして、去年よりも少し大きくなったようだったので株分けしてみました。このシダですが、未だに名前がわかりません。日本産で該当するものがないのでやはり外国産なんでしょうか?

水辺伝言版から
ヤナギタデは確かに、湧水河川に生えているものと陸地に生えているものではまったく別の植物のように見えて面白いですね。しかしヤナギタデは水中では開花、結実できないと思うので水中に生えているものも、どこかの陸地で結実した種子が川に流れ込んで発芽したものだと思います。ヤナギタデの水中葉が湧水にしかないのは単純に高水温に弱いからなんではないですかねぇ。自分的な予想ですが。でもイヌタデ属で完全な水中葉が野外で茂っているのはヤナギタデとホソバノウナギツカミしか見たことないですね。

利助さんのブログではたびたび進化の方向性という話題が出てきますが、生物の進化に方向性ってあるものなのかな、と思ったりします。ある植物が何万年か後に完全な沈水植物に適応できたとして、その時になれば、その植物は水生への方向へ進化した、と言えるかもしれませんが、今の時点である植物に方向性を見出すことができるのかな、と。生物の進化は環境への適応の結果だと思うので(偶然に左右される要素が大きい?)水生、または陸生へと、ある一つの方向性を持つことはないような気がするのですが。

また仮に方向性があったとしても水辺の植物だからといって、必ずしも水生への方向(または陸生への方向)に向かっていかなければいけないというわけでもないのでは。水陸両用に特化することだって立派な方向性と言えるのではないでしょうか?水陸両用になることによるメリットもあると思いますし、地球上には陸と水中の境界があいまいな土地がたくさんあります。そこへ向かっていく植物があってもおかしくないですよね。キクモなどはまさに水陸両用にうまく適応できた植物なのではないでしょうか。常に水位の増減があるような環境だとキクモのような生態のほうが有利かと。

…と、適当なことを書いてきましたが、進化論に関してはあまりよく知らないので、何かおすすめのHPや書籍がありましたら教えてください。
とりあえず自分が知っているところをリンクしておきます。進化論以外の話題もなかなか面白そうです。

生命はいかにして進化するのか
http://www.nagaitosiya.com/a/evolution.html